前回は、会社の状態を知る、貸借対照表について説明しました。
第1回から第3回までにご紹介してきた項目だけでも、会社のだいたいの様子をつかむことはできます。
次回以降は、より深く掘り下げて決算書を見ていきたいと思います。
さて、より深く掘り下げてみたいとき、会社の決算書はどこに行けば手に入るでしょうか。
上場会社であれば、たいていwebサイトを持っているでしょう。
webサイトの中から、「IR情報」という項目を探してみてください。たいていはトップページにリンクがあります。
「IR情報」とは、Investor Relation、つまり投資家向けの情報を載せてあるところです。
「投資家」といっても、証券会社とか大手銀行に限っているわけではありません。
その会社の株を持っている人、これから買おうと思っている人も立派な投資家です。
会社に興味を持って、これから決算書を見ようと思っているあなたも立派な投資家であるわけです。
「IR情報」に行くと、沢山の情報が置いてあって圧倒されます。
プレスリリース、決算短信、有価証券報告書、等々。
多くの会社は、「財務ハイライト」という項目を用意しています。
第1回からご紹介してきた主な項目は、たいていここにまとめて記載されています。
ここだけでも、かなり多くの情報が得られますが、もう少し掘り下げたいと思うときは、「IR情報」にある、決算短信を見るとよいでしょう。
「決算短信」は証券取引所が規則で義務付けているもので、上場会社が所定の様式で決算書を載せているものです。
上場会社でない場合には、情報は限られていることもあります。
会社によっては、上場会社でなくても「IR情報」「財務ハイライト」などを載せている会社もありますし、「貸借対照表」「損益計算書」などの情報を載せているところもあります。
もし株主であれば、法律で株主総会の前に株主宛てに必ず決算書が送られる(またはwebサイトに掲示する)ことになっているので、そこで決算書を手に入れることができます。
株主でもない場合には、決算書を手に入れることは難しくなります。
法律では、日刊新聞か官報に、少なくとも貸借対照表(会社の規模によっては損益計算書も)を公表することが義務付けられていますが、何月何日に載せる、ということは決まっていないので、探すのは困難です。
取引先、あるいはこれから取引をしようとする会社であれば、「貴社の財務内容を知りたいので決算書をください」と頼んでみることもできるかもしれません。
商売の途中で相手が倒産してしまっては大変ですから、事前に決算書を見ておきたい、というのは当然のことだからです。
どうしても情報が入手できない時には、有料ですがリサーチ会社を利用することもできます。
「帝国データバンク」「東京商工リサーチ」といったリサーチ会社は、お聞きになったことがあるかもしれません。
既にリサーチ済みの会社であれば、比較的安価で情報を手に入れることができます。
ただし、小さい会社になると毎年リサーチしているわけではないので、情報が古いか、または得られないこともあります。
その場合は、高額の特別料金を支払ってリサーチしてもらうことになります。
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