Archive for 1月 2012

エクソン・モービルが日本から事実上の事業撤退の報道

ロイターは2012年1月4日、アメリカの石油メジャーの一つ、エクソン・モービルが日本から事実上の事業撤退の意向であることを報じました

撤退事業については、東燃ゼネラル(現在、エクソン・モービルが50.02%を出資する子会社、東証一部上場)が4千億円で譲り受けるということです。
エクソン・モービルと東燃ゼネラルは、1月4日現在、この報道を否定しています。
エクソン発表
東燃ゼネラル発表

エクソン・モービルのガソリンは、日本では、エッソ・モービルの名前で知られています。

外資系企業からみて、日本は未だGDPで世界第三位の経済大国であり、無視できない巨大市場と位置付けられてはいるものの、高齢化社会においては、医療や介護のようなこれから需要の見込める成長分野を除き、多くは成熟市場とみなされています。

一方、同じアジア地域では、中国をはじめとする各国で2ケタの成長が続いていることを考えると、同じ資金を投じる投資先としては、どうしても投資の魅力が薄れます。

したがって、投資家としては、日本からは撤退するか、あるいは最小限度の投資にとどめ、浮いた資金はそうしたアジア成長市場に投じる(経営学でいうcash cow=金のなる木)、というのは極めて合理的な判断、ということになります。

エクソン・モービルの件は、まだ真偽のほどは不明な報道ではあるものの、複数ソースで同様の報道も始まっており、状況を考えるとそのような意向は大いにありえそうです。

国内需要の低迷と円高から、海外へ進出、または対外投資を進める企業が増えています。

その空洞化も懸念されますが、一方でこうした外資の投資引上げによる空洞化も気になるところです。

円高傾向から、どうしても海外からの投資は嫌忌される事情にありますが(円高では海外からの投資は割高であり、また将来円安になると元本割れのリスクも生じる)、少しでも投資の魅力を高める工夫は必要と思われます。

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