Archive for 7月 2011

外資系経理の生活(その7)-年間見通し

外資系経理の生活(その6)-外資系企業の監査役監査から続く

多くの外資系では第2四半期を終え、2011年も折り返しとなりました。
外資系企業では、予算に加えて、ForecastまたはEstimateと呼ばれる年間見通しを毎月提出するところが多いです。
日本企業の多くは、一度決めた予算は変えずに年度末までそのまま向かうところが多いようです。

この見通しの作成に当たっては、予算に比べて業績が良くなっているか、もしくは悪くなっているか、予算に比べて何か変化した事項はないか、を織り込んでいきます。
日本企業では、業績が順調で予算達成の見通しが立っていれば、とりあえず一安心、というところがあります。
外資系では、予算を上回る好業績を達成していると、見通しではそれを織り込むことを要求されます。
たとえば、上半期で予算を10%上回っているが、後半は息切れするので、年度見通しとしては予算通り、というプランは、一見すると予算達成に見えますが、本社では受け入れてもらえません。
上半期が予算比+10%ならば、下半期は、同様に、あるいはそれ以上に成長できるだろう、ということです。

反対に下方修正という場合は、それが合理的な理由で、やむを得ないことであれば受け入れられますが、その理由については入念にチェックされます。
理由が納得されない場合には、逆にハッパをかけられてしまいます。

ところで、このように現実を見据えながら、いわば予算の改定ともいえる年間見通しを作成するわけですが、予算は忘れ去られてしまったのかというと、そうではありません。
予算は、年初に本社との間で交わされた達成すべき目標であり、いわば約束です。
予算を超える業績が上がれば、ご褒美=ボーナスが与えられます。
反対に、予算を下回れば、ボーナスは連動して下がります。0にまで下がってしまうこともあります。
あまりに業績がひどいときには、解雇の可能性もあります。
ボーナスとは文字通り「賞を与える」ものであり、信賞必罰が徹底しているといえるでしょう。

外資系経理の生活(その8)-ボーナスに続く

サンクコスト(埋没費用)とは(その2)

サンクコスト(埋没費用)とは(その1) 」では反響を頂きましてありがとうございました。

今回はその続編です。

サンクコスト(埋没費用)を考慮に入れた意思決定を阻む要因の一つが、「利益」、特に年度などの期間で区切った「期間利益」です。

企業の業績は、年度や四半期といった、一定の期間で区切って測ることになっています。企業が持続して運営されていることが前提である以上、どこかの期間で区切らないと、企業が成長しているかどうかが分かりません。
期間を区切るという考え方は、どこでどのように区切るか、というだけのことで、長い目で何かが変わるわけではないのですが、それが意思決定をゆがめてしまうことがあります。

一つ例を見てみましょう。
いま稼働している設備があって、新しい設備にした方がキャッシュフローをより多く生み出すことができる、という案件があったとします。
今の設備A:今の設備の帳簿上の価値(簿価) 2百万円。
新しい設備B:設備代金3百万円、ただし、Aに比べて毎年1百万円キャッシュフローが増える。
ただし、設備Bを導入すると、Aは廃棄しなければならないとしましょう。

この例では、Bの設備に今取り換えれば、3年で元が取れる計算になります(税金などの影響は除く)。
したがって、Bに取り換えた方が良さそうですが、今Aを廃棄すると、廃棄損2百万円が発生します。
ですから、今年はBのメリット1百万円を早速得られたとしても、たぶん赤字になるでしょう(1-2=-1百万円)。

年度の利益が赤字になるというのは、経営者としてはなるべく避けたいところです。
したがって、Bに取り換えるのは止めて、Aをしばらく使い続けよう、という決定を下す経営者も多いのではないでしょうか。

実は、この設備Aの帳簿上の価値2百万円は、既に支出してしまっている費用なので、サンクコストです。
Aを使い続けようと、Aを捨ててBを新たに導入しようと、追加で支出を伴う費用ではありません。

しかし、このような過去に支出した費用が亡霊のように帳簿に残っていて、期間利益に赤字を及ぼすのです。
これが、サンクコストが意思決定をゆがめてしまう一つの例です。

思い切って赤字覚悟でも将来のキャッシュフローを伸ばそう、という心境になれない、そんな背景を説明できるでしょう。

サンクコスト(埋没費用)とは(その1)

日経新聞の連載に「やさしい経済学」というシリーズがあり、元金融担当大臣の竹中平蔵慶応大学教授が執筆しています。

2011年7月13日の記事では、後藤新平に寄せ、関東大震災を機に、過去の慣行にとらわれない、東京のグランドデザインが描かれたことが紹介されています。
社会に一度定着した制度や慣行を一度に崩すことはなかなか困難ですが、関東大震災によって、ゼロから作り直すことが可能になったことを、「サンクコストがゼロになった」という表現で紹介しています。

サンクコスト(埋没費用)は、経済学や経営学で意思決定を行う際によく出てくる言葉です。

ビジネスの現場に限らず、生活をしていると、幾つかの選択肢があって、どれを選んだら最も得になるか、という意思決定を迫られる場面があります。

このとき、どの選択肢を採ったとしても、どれが得かという判断に関係しないコストのことを「サンクコスト」と呼びます。
「埋没費用」という言葉は、サンク=sinkの過去分詞形のsunkを直訳していますが、もしかするとこの訳語が言葉の意味を分かりにくくしているかもしれません。

一つの例を挙げましょう。
居酒屋にやってきて、500円払ってビールを1杯注文しました。
そのビールを飲んでしまってから、実はビール飲み放題メニュー1,200円があることに気づきました。
あまりお酒が強くないのですが、あと2杯くらいは飲めそうな気がします。ただ、既に1杯飲んでいるので、あと3杯飲めるかどうかはちょっと分かりません。
このまま、(1) ビールを単品で頼み続けた方がいいか、(2)飲み放題にした方がいいか、思案のしどころです。
すると、飲み代の計算は次のようになります。

仮にビールをあと2杯飲んだ時点で、十分酔っぱらって飲めなくなってしまう場合
(1)単品で2杯飲むと、2杯x500円=1,000円
(2)飲み放題メニュー 1,200円
したがって、単品で2杯飲んだ方が200円オトク。

仮にビールをあと3杯は飲めそうな場合
(1)単品で3杯飲むと、3杯x500円=1,500円
(2)飲み放題メニュー 1,200円
したがって、飲み放題にした方が300円オトク。

このとき、最初に飲んだ1杯目のビールは、どちらが得かという計算には入っていないことがわかります。
1杯目のビールの分を取り消して、最初から飲み放題だったことにしてくれるなら別ですが、きっとそうはいかないでしょう。
したがって、既に飲んでしまった1杯目のビールは、この先どういう選択をするかには関係がありません。
つまり、これがサンクコストです。

しかし、これを実感として理解することはなかなか難しいです。
なぜなら、人間はどうしても過去にとらわれてしまう生き物だからです。

仮にあと2杯で帰ろう、と思っていても、
「最初から飲み放題にしておけば良かったなあ。あとビールを2杯飲むと全部で3杯だから1,500円。飲み放題に比べて300円損したなあ。」
などと考えたりしませんか?

冷静に考えると、あと2杯で帰るなら単品で頼んだ方が得なのですが、過去にとらわれてしまうこともよくあるのです。

何か効率の良いインフラなり設備なりが登場した時に、既存のものを壊さなければ設置できないことはよくあることです。
繁栄を謳歌し、現在も特に問題のないインフラや設備を壊してしまう、というのは普通は「もったいない」と考えます。
竹中教授の記事では、関東大震災によって否応なしにインフラがなくなってしまったので、そういう憂いをすることなく、新しく、より効率の良いインフラを設置する機会が生まれた、いわばピンチがチャンスに変わったことを説明しています。
とはいえ、過去にお金をかけて築き上げたものを捨てて、新しいものに取り換えるのは、それが得と分かっていてもなかなか難しいことがあります。
損得がなかなか思うようにならないのは、この当たりの発想が関係しているようです。
サンクコスト(埋没費用)とは(その2)に続く

コメ先物の試験上場-先物取引の本質とは

コメ先物が東京穀物商品取引所と関西商品取引所に試験上場されることが決まったということで、日経新聞でも7月7日付朝刊より特集記事が組まれています。

世界で最初に先物取引を始めたのは江戸時代の日本で、コメの価格をヘッジするためだったと言われています。したがって、今回商品取引所に試験上場されるというのは、ある意味で温故知新と言えるでしょう。

さて、先物取引というと、「濡れ手に粟のぼろもうけ」とか「大損をして全財産を失った」と言われる投機性の強い投資の印象があります。

■先物取引の目的
先物取引の実際の目的は、相場変動があって将来の価格が予想しづらいものについて、その価格を今の時点で確定してしまうことにあります。

たとえば、日本で自動車を製造しアメリカに輸出している自動車会社が、9月に1台1万ドルの車を1000台(すなわち1千万ドル)輸出する計画を立てていても、為替相場がいったい幾らになるのかが分からないようでは予算の立てようもありません。
そこで、今の為替相場を勘案して、例えば「今年度の9月に1千万ドルを80円で売る」という契約を銀行と結びます。そうすれば、確実に8億円を手にすることができるわけです。
もちろん、その時に円安となり、1ドル90円になっていれば9億円を手にできたはずなので、損をすることになります。他方、1ドル70円になってしまうと、何も契約がなければ7億円に目減りしてしまう損を回避したことになります。

為替相場が幾らになるかは予想できないので、将来の変動(これを「リスク」といいます)を今固定化してしまう(これを「ヘッジ」といいます)のが先物取引です。

■先物取引と先渡取引
ただし、もっと専門的にいうと、上記の自動車のように、自分の取引に基づいて将来の取引額を銀行とヘッジする方法は特に「先渡取引」と呼んで「先物取引」と区別しています。

先渡取引と特に区別して呼ぶ先物取引は、銀行との相対ではなく、A.取引所で取引されることと、B.差金決済によること、とされています。

■先物取引の例
たとえば上記の自動車の例でいうと、銀行と相対で取引をする代わりに、取引所を使って先物をやり取りすることもできます。

自動車会社は、この1千万ドルを9月に、80円で売ると取引所で約束します。これが先物契約で、A.に述べたように、取引所で取引されることがポイントです。
9月に、為替相場が1ドル75円になったとしましょう。自動車会社は1.の1千万ドルを75円で売ります。得意先からは7億5千万円を受け取ったことになります。
次に、先物契約を約束通り実行します。1千万ドルを1ドル80円で取引所で売る約束になっているわけですが、このとき取引所からは、
(先物相場80円-実際の相場75円)×1千万ドル=5千万円だけを受け取ります。このように、先物相場と実際の相場の差額だけでやり取りすることを、B.に述べた「差金決済」と言います。
得意先から受け取った7億5千万円と、取引所から差金決済で受け取った5千万円を合わせて、自動車会社は上記の先渡契約と同様、8億円を手にすることになります。

反対に、9月に、為替相場が1ドル85円になったとしましょう。自動車会社は1千万ドルを85円で売ります。得意先から8億5千万円を受け取ったことになります。
次に、先物契約を約束通り実行しなければなりません。1千万ドルを1ドル80円で取引所で売る約束になっているわけですが、このとき取引所からは、
(先物相場80円-実際の相場85円)×1千万ドル=5千万円を払えと言ってきます。
得意先からは8億5千万円受け取っていますが、取引所に5千万円差金決済しなければならないので、自動車会社が手にするお金は結局8億円になります。

日本企業のROE、前年比改善

7月3日日経新聞朝刊で、上場企業のROEが2011年3月期に平均6.0%となり、前年同期より2.1%改善したとの報道がありました。
それでもなお、米欧の主要企業のROEは平均10%を上回るそうです。

日本企業のROEの低さは、よく話題に取り上げられます。
筆者は、日本企業の特徴から、次の2つの点を原因として見ています。

一つは法人税の高さです。
日本の法人税の実効税率は約40%です。他方、米国はほぼ同水準と言われるものの、欧州のそれは約30%前後と言われています。
したがって、日経新聞の報道の例で、税引き前の水準で考えると、
日本のROE=6.0%÷(1-40%)=10%
欧州のROE=10%÷(1-30%)=14%
となり、依然として欧州に差があるものの、その差は縮まります。
たとえば、もし欧州並みにROEを得ようと思うと、税引き前では10%÷(1-40%)=16.7%も確保しなければなりませんから、なかなか大変なことだと思います。
日本の税負担の高さについては、財界からも法人税の負担軽減の提言がたびたびなされますが、このようにROEで考えると、その負担の高さはやはり目立ちます。

もう一つは、数値的には検証をしていないため筆者の推測の域を出ませんが、日本企業の価格設定にあると思われます。
多くの欧米企業、特にブランドイメージの高い企業は、高いマージン率(粗利率)を得ているといわれています。
ルイ・ヴィトンのような高級ブランド品、メルセデスのような高級車などは、筆者は実際の粗利率を知りませんが、相当の粗利率と考えてよいでしょう。

一方、ソニー、パナソニック、トヨタなどは世界的にも知らない人のないほどのブランドですが、それほどの高い粗利率を得ているとは思えません。
したがって、こうした粗利率の差が、最終的なROEの差につながっていると言えそうです。

もちろん、日本企業の付加価値戦略が誤っているわけではありません。日本企業の製品は昔から安価で高品質と言われますが、欧米企業に比較して低いであろう粗利率は、安価である点にあるだろうと思います。
すなわち、日本企業の付加価値戦略においては、付加価値はROEを通じて資本家に渡るのではなく、安価を通じて顧客に渡っていると考えられます。
資本家から見れば、当然に得るべき付加価値を搾取されている印象がありますが、安価を通じて顧客に渡ることで、長期的なロイヤリティ=企業の持続的成長を得ているとも考えられるのです。

石原亨選手、2011 ICFカヌーフリースタイル世界選手権ドイツ大会にて、3位に入賞

当事務所がサポートするカヤック(カヌー)のスクォート部門日本代表 石原亨選手(所属:串揚げ ひかりや)。
2011 ICFカヌーフリースタイル世界選手権ドイツ大会にて、惜しくも金銀は逃しましたが3位に入賞しました。
今後のますますの活躍を期待します。

リコー、HOYAからペンタックスのデジカメ事業を買収

リコーはHOYAからペンタックスのデジカメ事業を買収すると発表しました。

筆者は長年、ペンタックスの防水デジタルカメラを愛用しており、この発表を興味深く読みました。

詳細は明らかになっていないようですが、記者会見でのトップの発言や公表された資料から、色々と興味深い財務内容が伺えます。

■デジカメ事業の売却によって、HOYA首脳は「特別損失を出す予定はない」と発言しています。事業売却に伴う特別損益は、経営判断によって計上する/しないは選択できませんので、「特別損失は出す予定はない」というよりは、「特別損失は出ない」という意味なのでしょう。
もっとも、HOYAはこの3月期からIFRSに移行しており、IFRSでは特別損失の計上が認められないので、そのことを発言しているのかもしれません。

■HOYAは実は4年前の2007年8月にペンタックスを買収しています。その時の発表資料によれば、買付資金の総額は944億円でした。
一方、HOYAが開示した発表資料によれば、分割する事業の資産は212億円、負債は105億円といいますから、差引して純資産は107億円ということになります。
日経新聞の7月1日付夕刊の記事では、今回のリコーによる買収額は100億円と推定しています。この純資産から推定したのかもしれませんが、前述で(日本基準を前提にして)特別損失が発生しないとすると、買収額はもう少し大きいかもしれません。

■リコーの社長は「3年で1000億円を超える事業に育てたい」と発言しています。このことから、現在のリコーのデジカメ事業は、ペンタックスを合わせたとしても、1000億円には達していないと分かります。
旧ペンタックスの資料によりますと、平成19年3月期の連結純資産は431億円もありました。
また当時のセグメント情報によると、イメージング事業全体では売上が811億円、営業利益は31億円、減価償却は21億円となっており、単純に営業利益に減価償却を足して、営業キャッシュフローを簡便的に計算すれば52億円、ということになります。

■HOYAにおいて、デジカメ事業を含む旧ペンタックス事業の概要を知りたかったのですが、セグメント情報は他の事業と一体になっており、旧ペンタックス事業の収益性は分かりませんでした。しかし、HOYAの財務ハイライトによると、2010年3月期はペンタックス事業の売上は1000億円近くはあったことになります。
2年前のイメージング事業811億円から成長しているのでしょう。
ペンタックス(HOYA)のデジカメ出荷台数は、日経新聞の記事によれば163万台。カカクコムによると、多くの製品は小売価格が1万円前後ですので、カカクコムのような最安値取引価格を考慮したとしても、卸売価格の平均もせいぜい1万円未満といったところでしょう。1台の出荷高を仮に1万円とすればデジカメの売上は163億円と推定されます。多くても2-300億円程度なのではないでしょうか。
他方、リコーの出荷台数は50万台。同様に小売価格を見積もれば、売上高は50億円から100億円といったところだと思います。リコーの買収後の売上高は、ペンタックスを合わせて4-500億円程度でしょうか。
そうすると、「イメージング事業」と呼ばれる中には、デジカメ事業以外に他の事業が半分以上を占めていることがわかります。
今回、売却する事業は「デジタルカメラ・交換レンズ、デジタルカメラアクセサリー、セキュリティカメラ関連製品および双眼鏡など光機製品の開発・製造・販売事業」と書かれていましたので、売却するデジカメ関連の事業以外に、ペンタックスから引き継いで、HOYAに残す事業があるように見えます。

以上から、次のようなことが分かります。
■ペンタックスはカメラのブランドとして知られているが、HOYAがペンタックスを買収した時、既にその事業の中心はカメラと同等かそれ以上のイメージング事業があった。
■HOYAはそのイメージング事業の高い収益性に着目してペンタックスを4年前に買収、純資産431億に対して、およそ倍の944億円を投じた。
■今回、デジカメ関連事業を相当の高額(日経の推定では100億円)で売却したが、イメージング事業の大きさから推定すると、HOYAに残すイメージング事業もあるようだ。
■リコーは、自社のラインナップにペンタックスブランドを加えて、デジカメ事業を強化したい。今の売上水準(推定)を少なくとも倍増させたい。

したがって、今回の意思決定では、旧ペンタックス事業の中からHOYAのシナジーに近い、イメージング事業の”おいしい部分”を残した一方で、リコーについても競争の激化するデジカメ事業で、一定のシェア確保をする礎になったと筆者は見ています。

なお、このブログの内容は、発表された資料や発言を一部用いて推定したもので、資料を精査したものではないため、重要情報の見落としや判断誤りの可能性があります。
また、このブログの内容をもって投資売買の勧奨を行うものではなく、また投資意思決定の材料として利用されることを予定していませんのでご注意ください。

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