Archive for 12月 2010

外資系経理の生活(その3)-外資系経理の職位

外資系経理の生活(その2)-外資系経理の組織から続く

USCPAなどの資格を取って、これから外資系企業の経理に勤めてみようと思う方に、「外資系の経理ってどんなところ?」かを何回かに分けてご紹介したいと思います。

外資系経理の職位

今ではCFO(Chief Financial Officer)などという職位(title)も一般的になりました。

外資系経理の職位は一般には、CFO、コントローラー、xxxディレクター、といった順番になっていますが、そうでないこともあります。

コントローラーという職名はまだ日本では一般的になっていませんが、日本企業に当てはめていうとCFOに相当する財務担当役員に対して、経理部長に相当するポジションが近いでしょうか。

コントローラーに経理部長と同等の職責しか負わせていない会社もあれば、前述のFP&Aも合わせて、CFO補佐的な広範な責任を負わせている会社もあります。

また、筆者が以前勤めていた会社では、ファイナンス・ディレクターが上位で、コントローラーが下位でした。ただし、その場合でもコントローラーは経理だけでなくFP&Aの機能も負っていました。

最近の多国籍企業の傾向として、CFOは本社と地域本社のみにおき、日本法人はファイナンス・ディレクターやコントローラーがそのトップに就いているケースも少なくありません。

ただし、CFOという職名を冠していなくても、日本法人の財務・経理については全責任を負っており、CFO的な判断が求められることは間違いありません。

外資系経理の生活(その4)-外資系経理の決算の締め切りに続く

外資系経理の生活(その2)-外資系経理の組織

外資系経理の生活(その1)-外資系経理の機能から続く

USCPAなどの資格を取って、これから外資系企業の経理に勤めてみようと思う方に、「外資系の経理ってどんなところ?」かを何回かに分けてご紹介したいと思います。

外資系経理の組織

外資系企業は、その多くが世界各国に事業を展開する多国籍企業(MNC, multi-national company)であることが多いです。その多くは、本社を中心にして、欧州、米州、アジア太平洋(APAC, Asia Pacific)などの地域ごとに地域本社(regional office)を置いて統括しています。たとえば、日本にある外資系企業は、多くの場合、アジア太平洋地域に属していて、地域本社の指示を受けるようになっています。
このような地域本社制を取る外資系の場合は、マトリックス組織と言って、組織のラインの指揮系統のほかに、機能面での指揮系統があります。
すなわち、日本法人の財務部門のトップは通常、日本法人の社長が直属の上司となりますが、一方で地域本社の財務部門にも報告を行うという、二重の指揮系統下にあります。
この形式は、財務部門だけでなく、営業、マーケティング、人事、品質管理といった他の機能職にも見られます。
どちらの指揮系統の影響力が強いかは、会社によって異なります。日本の社長のほぼ指揮下にあって、地域本社の財務には決まったレポートさえ送っていればよい、という会社もあれば、基本的には地域本社の財務に属していて、日本の社長に対してさえも、ノーと言える権限を有しているという会社もあります。

ちなみに、指揮系統下にあることを”report to”と言います。たとえば、”report to the country manager”といえば、日本法人の社長が直属の上司である、ということです。
間接的に地域本社の財務にもレポートしていることを、”dotted line”と呼ぶこともあります。組織図上で、レポートラインが点線で示されることからそう呼ばれます。

外資系経理の生活(その3)-外資系経理の職位に続く

外資系経理の生活(その1)-外資系経理の機能

USCPAなどの資格を取って、これから外資系企業の経理に勤めてみようと思う方に、「外資系の経理ってどんなところ?」かを何回かに分けてご紹介したいと思います。

外資系経理の機能

日本企業に経理部があるように、外資系企業も経理があります。一般には”Finance”と呼ばれる部署になっていることが多いです。帳簿をつけ、得意先からお金を集め、または仕入先などにお金を支払い、決算を締めて経営者にレポートする、という点では日本企業と同様です。

ただし、外資系企業では内部統制を非常に重視していて、帳簿をつける人(record)と実際にお金を出し入れする人(custody)を明確に分けたがります。これを一人の人がやると、勝手にお金を着服し、しかもその記録をごまかすことができるから、という発想です。

小さな会社では、担当者を分けますが、大きい会社では帳簿をつける部署が経理(financial accounting, FA)、お金の出し入れをする部署が財務(treasury)と呼ばれたりします。

もう一つの特徴が、FP&A(financial planning and analysis)と呼ばれる機能です。一言で適当な訳がありませんが、予算管理、財務管理などと呼ばれます。

具体的には予算を立案し、FAが締めた決算の内容を分析し、経営に対して分析結果の報告を行います。

外資系企業ではFP&Aの機能を非常に重視しており、FAと同等かそれ以上の人数を割いている企業もあります。日本企業でこの部署を置いているところは稀で、一般には経営企画部がその役割を追っていることが多いです。

外資系経理の生活(その2)-外資系経理の組織に続く

将来を見通す(その1)

昨日の朝、ラッシュアワーでの出来事です。

後に続いていた電車が故障で運転を打ち切ったため、私の乗った電車にも時間調整などの影響が出ました。

よくある朝の光景です。

車内や駅では、遅れの状況とおわびを伝えていました。

一昔前はそのアナウンスすらなかったり、不鮮明で聞き取れなかったりしたものですから、だいぶ改善されたと言えるでしょう。

ただ気になったのは、遅れの発生原因と現状は伝えるものの、その後の見通しについてのアナウンスがないことです。

乗客にとっては、遅れの原因が分かれば納得はできるものの、この先どうすればいいか、を判断する情報にはなりません。

先を急ぐ者としては、今ここで降りて遠回りしてでも別のルートを選択すべきなのか、それとも運転再開を待ってそのまま乗り続けた方がいいのか、という判断が必要になります。

その判断の拠り所になるのは、これから先の遅れの程度や回復の見込み、といったものになるでしょう。

企業の財務管理にも同じことが言えます。

何事も予算通りに進むことは稀ですが、経営をしていくうえでは、過去=決算だけでなく、これからの数字、たとえば年度末の着地はどうなりそうなのか、いつ頃、幾らくらいの利益になるのか、などを見極めることが重要です。

その情報があれば、このまま行けるのか、それとも何かアクションが必要なのかを判断をすることができます。

経理というと過去の数字とか決算というイメージがありますが、将来の意思決定に役立つ情報を提供できるかどうかが、会社の経営にとってはより重要です。

エコプロダクツ2010見学

12月10日、東京ビッグサイトで行われていた「エコプロダクツ2010」を見学してまいりました。

環境意識の高まりから多くの企業が出展していましたが、無料であることから小中学生や一般消費者も多く、そのためか企業も出展主体は各社のCSR担当部署が多かったようです。

一方、今回の目玉は電気自動車でした。
無料の試乗会も受け付けられていました。

私も、三菱MiEVに試乗してきました。

電気自動車は、航続距離や本体価格がまだ課題として残っていますが、こうして公道を走れる実用段階に至っていることは意義深いことと思います。

かつては一部の人々の高価な持ち物であった携帯電話の普及が一気に進んだように、電気自動車が爆発的に普及する時代はすぐそこに来ているように感じます。
原価低減-販売単価引き下げ-より多くの人に普及-固定費が下がり一層の原価低減、というコストのサイクルが回り始めればしめたものです。

当事務所は、既存のガソリン自動車を電気自動車に置き換える試み、「ハンドレッド・ゼロ」をご支援しています。
まだ高価な電気自動車に代わって、より安価で既存の自動車を電気自動車にすることができれば、少しでも上記のサイクルを早められる気がします。

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