外資系経理の生活(その6)-外資系企業の監査役監査

外資系経理の生活(その5)-予算から続く

会社法の施行後は、監査役の設置が任意となり、監査も緩和されましたが、旧商法の流れで定款に監査役を設置することを明記している外資系企業も多いです。
また、取締役会をおく会社は監査役の設置が義務化されています(会社法第327条)。

外資系企業の監査役は、本社やアジア太平洋地区統括本社の誰かが就任することが多いようです。
大抵は内部監査部門や法務部門の責任者が就任するようです。また、財務担当者は監査役の独立性の観点から就任できないとする内規を持つ会社もあります。
これらの監査役は、実質的には名前だけの監査役であり、実際に日本まで出向いて監査を行うことはほとんどありません。
ただ、監査役の監査報告書にサインをしなければなりませんし、良く知らない書類にサインをすることを嫌がりますから、日本の監査役とはどんなもので、何を求められ、何をしなければならないかを一から英語で説明しなければなりません。
人事異動で監査役が交代するたびにこれをしなければならないので、面倒です。

また、監査役が日本まで出向いて自ら監査を行うことは実務的ではないため、実際の監査は本社の内部監査部門がやってきて本社の監査基準に基づいた監査を行い、監査役はそれを追認する、というのが実務的な対応となっています。
本社の内部監査も対応できない場合には、日本の監査法人に依頼して監査を実施してもらい、監査役はそれを追認する、という場合もあります。

当事務所もこのような監査役監査に英語、日本語の双方で対応いたしますので、お気軽にお問い合わせください。

外資系経理の生活(その7)-年間見通しに続く

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