他人が見ても分かる書類とは(4)-ファイルのバージョン管理

前回「他人が見ても分かる書類とは(3)-フォルダ構造」では、フォルダ構造に工夫を凝らすことで、ファイルを探しやすくなる方法をご紹介しました。

今回は、「パソコンのファイルの場合」のうち、
2-2. 幾つもの似たようなファイルがたくさんあり、どれが最終版なのか分からない。
事例と対策をご紹介したいと思います。

よくある事例

まずは、よくある事例を見てみましょう。これも案外、心当たりがあるのではないでしょうか。

改訂とか修正という名前のファイルが並んでいますが、どちらが新しいのかよく分かりません。
一つの手がかりは、「更新日時」です。これは「タイムスタンプ」と言われ、ファイルが保存された日時をパソコンが自動的に記録しているものです。

しかし、「最終」というファイルが3月25日に保存されているにもかかわらず、より新しい日付3月28日のファイルもあります。

普通、人はこれが最終と思ってファイルを保存しますが、色々な事情から修正が入ることはあり得ます。
その時に、「修正版」とか「改訂」などという名前を付けると、いつの修正なのかが分からず、あとで混乱することになります。
「最終」とか「確定版」という名前も要注意です。場合によりさらに修正が入る可能性もあり得るからです。

良い例

絶対的な正解というものはありませんが、一つの例として次の図をご覧ください。

筆者は、常に最新版には「最終」とか「修正」という名前を敢えて入れない、普通のファイル名にしていました。
そして、何か修正が発生した時には、次のように対処していました。
(1)まず修正前にそのファイルをコピーする。
(2)コピーしたファイルは、最後に保存した日付をファイル名の末尾につける(上記の例の「0301」のようにする)。
(3)修正したファイルはそのまま元のファイル名「Financial Plan.xls」で上書き保存する。
こうしておくと、「Financial Plan.xls」というファイルは常に最新のファイルなのだと分かります。
最新のファイルの名前に日付をつけていく方法もありますが、Excelのようにファイルのリンクをつけたりする場合には、日付がついているとリンクが壊れたりすることがあるので、筆者は最新のファイルには敢えて日付をつけないやり方を採用していました。

また、古いファイルにも関わらず更新日付が変わってしまう問題については、ファイルを常に「読み取り専用」形式で保存することで解決していました。
更新日付が変わってしまうのは、誰かが参考のためにファイルを開いたにもかかわらず、ついうっかり上書き保存してしまうために発生します。上書き保存されないよう、「読み取り専用」にしておくわけです。

次回は「他人が見ても分かる書類とは(5)-外部リンクの活用」で、表の数字の出所を明らかにして、どうやってその数字が導き出されたを分かるようにしておく方法をご紹介します。

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