外資系経理の生活(その8)-ボーナス

外資系経理の生活(その7)-年間見通しから続く

前回では、外資系企業のボーナスの特徴について述べました。

しかし、日本の商習慣上、外資系といえどもやはり日本の会社と同じような賞与体系にしないといけない人事戦略上の事情もあるようです。
したがって、外資系の多くは、年俸制といいながらも、その年俸を16分割し、毎月の給与は1/16を支給し、夏冬はボーナスと称してそれぞれ2/16を支給しているケースも多いようです。
もしくは15分割し、夏2か月冬1か月というケースもあるでしょう。
いずれにせよ、夏冬のボーナスは、年俸制の一部として支給されているケースが多いということです。
これとは別に業績連動型のボーナスがあり、年度の業績に応じて、更に何か月分かが支給されるようになっています。

さて、外資系経理を担当していると、親会社との間で議論が噴出するのが、このボーナスのあり方です。
親会社への報告書では大抵、夏冬の支給分も、業績連動型のボーナスも、両方ともbonusとして報告するケースが多いようです。

親会社としては、業績が良いときに支給するのがボーナス、という考え方に基づいていますので、好業績の時は問題ないのですが、業績がよくないときに、このボーナスに目を付けます。
いわく、業績が悪いときにボーナスを計上するのはどういうことか、と。

会社の社員としては、夏冬のボーナスは単に年俸の分割であって、本当の意味のボーナスは業績連動型の部分だけです。
業績が悪いときに、業績連動型を減らされるのは納得がいきますが、夏冬ボーナスまで減らされるのは減給となり納得がいきません。

筆者が勤めてきた幾つかの外資系企業では、必ずと言っていいほどこの問題が出ました。
「夏冬のボーナスは給与の一部」と説明して、一時は納得してもらっても、しばらく時間が経ったり、担当が変わったりするとまた議論の蒸し返しとなります。

会計報告上も夏冬のボーナスについては、「季節給与」といった名目とし、業績連動型部分のみを「ボーナス」として報告しておいた方が無難かもしれません。

外資系経理の生活(その9)勘定科目体系の最近の動向に続く

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