Author Archive

年金はどうして企業の業績に影響を与えるのか(その1)-確定給付年金

年金はどうして企業の業績に影響を与えるのか。年金会計の仕組みを簡単に解説します。

2012年5月8日付日経新聞に、政府は閣僚会議の「成長ファイナンス推進会議」において、確定拠出年金を拡充する方針を打ち出したとありました。

先のAIJ事件における企業年金の消失問題など、年金に関する話題は途切れることがありません。

年金は企業の業績も揺るがす大問題と言われますが、一体何が問題なのでしょうか。

 

企業が支払う年金というのは、いわば退職金の後払いのようなものです。
退職金制度のある会社では、定年退職を迎えると、退職金が支払われますが、これを一度に受け取るのではなく、退職後の一定の期間、受け取るようにすることができます。これが企業年金と言われるものです。
この受け取り方には、確定給付型と確定拠出型の二つの種類があります。

確定給付型というのは、ずっと昔から採用されていた方法で、多くの企業がこれに基づいて年金を支給しています。
年金が毎月決まった金額受け取れる、すなわち「給付額」が「確定」していることから、確定給付年金と言われます。

もともと年金は退職金の分割後払いなのだから、毎月決まった金額を受け取れて当り前だろう、と思いますが、ことはそう簡単ではありません。
後払いされる年金は、企業が預かるのではなく、年金基金といういわばファンドが預かっています。
企業は決まった金額を年金基金に支払い(これを拠出といいます)、基金はそれを元手に運用します。そして、運用で得た投資利益も含めた金額を受給者(元従業員)に年金として支給します。
この支給額が「確定給付額」となっているわけです。


支給額が確定しているということは、その元手になる投資運用もある程度確定している必要があるわけですが、残念ながら昨今の投資環境の悪化から、予定した投資運用ができていない基金が大半と言われています。
そうなると、給付額は一定ですから、基金は過去から積み立てた余裕も取り崩して年金を支払わなければならないことになります。

AIJの事件は、投資運用が低迷して、予定した運用が行えなくなった基金が、一発逆転を狙って運用成績の良かったAIJに乗り換えたことから発生しています。
実際には予定していた運用が行えていなかったどころか、元本を大幅に下回ってしまったわけですから、預かり資産も大幅に小さくなってしまった年金基金も数多くあります。

いずれは年金を支払わなければならない、かつその給付額は一定しているわけですから、資産が大幅に小さくなっているといずれ基金は破たんします。
このとき生じた年金基金の穴埋めは、まず一義的にはその給付元の企業が行わなければならないことになっています。

この穴埋めが突然やってくると、企業の業績は大きくぶれて、大きな影響を与えます。そこで、毎決算期ごとに、企業年金の財政状態を調べ、穴埋めしなければならないとしたら幾ら必要か、を算定し、それを一定の基準で決算に反映させなければならないことになっています。これが、「年金会計」と呼ばれるものです。
ただ、この年金会計は、全ての企業に義務付けられているものではなく、多くは上場会社や大企業に限られます。
中小企業の多くはこの年金会計を採用しておらず、したがってあるとき年金基金から多額の穴埋めを依頼され、たちまち業績が悪化してしまう危険を抱える会社も少なくありません。

このような影響を回避するために導入されたのが確定拠出年金です。
これについては、次回ご紹介します。

アサヒグループのカルピス買収報道と情報開示

アサヒグループホールディングスがカルピスを買収するとの報道がありました。

4月27日現在、アサヒグループホールディングスと、カルピスの大株主である味の素は、いずれも検討の事実は認めていますが、報道そのものは自社からのものではないとしています。

http://www.asahigroup-holdings.com/news/2012/0427.html

http://www.ajinomoto.co.jp/

さて、大型買収案件ともなれば、マスコミにとっては一大ニュース、少しでも早くネタをつかんで報道すれば大スクープです。今回も、どこからか情報をつかんでいち早く報道したのでしょう。

これに対して、当事者であるアサヒグループや味の素は、5月3日現在、いまだにその報道を肯定する公式発表を行っていません。この違いはどこから来るのでしょうか。

上場会社が行う合併や買収といった事実に対しては、「金融商品取引法」と「上場規則」の二つの規制を受けます。

上場会社というのは、その株式が取引上に上場されている会社です。株式が上場されていると、株主は取引所を通じて、いつでも株式を自由に売買できます。このとき、誰も知らないような事実を先につかんで、その情報を元に有利な売買ができる「抜け駆け」を許してしまうと、公平な取引ができなくなってしまいます。

このため、「金融商品取引法」や「上場規則」では様々な規制をして、抜け駆けを許さないようにしています。

その一つは、いわゆる「インサイダー取引規制」といわれるもので、誰も知らないような事実を先に知りえる立場にいる人は、その事実を元にして売買を行うと罰せられるようになっています。すなわち、「抜け駆け」をした人を罰する仕組みです。

もう一つは、誰も知らないような事実を「人より先に」知ることができないようにする仕組みです。誰もが同時に、同じ事実を知っていれば、公平な取引になるからです。そこで、そのような事実が発生したときには、すみやかに情報開示を行うことが義務付けられています。

たとえば、東京証券取引所の有価証券上場規程第402条1号には、諸々の事実が生じたときには、直ちにその内容を開示しなければならない、と定められており、合併や買収はその「事実」の一つとなっています。

今回の事例では、「検討の事実」はあるようですが、それでは「すみやかな情報開示」が行われていないのはなぜでしょうか。

もう一つ、注意しなければならないことは、反対に根拠のないことを流してはならない、ということです。

根拠のないことを流して、相場に影響を与えることを「風説の流布」といい、「金融商品取引法」で禁止され、罰則もあります。

おそらくは、買収について調査や分析、交渉などは進めているものの、まだ社内で正式決定には至っていないため、まだ情報開示する段階ではないものと思われます。

マスコミにしてみれば、4月27日に「すっぱ抜き」をしたものの、休み明けの5月1日、2日と平日にも関わらず何の会社発表もなかったので、肩すかしを喰らわされた感じでしょう。

しかし、会社側にしてみれば、正式決定を経ないうちは、詳細な情報開示はできないことになります。

ところで、「会社の正式決定」とは一般には取締役会の決議を指します。最終的な決定承認は株主総会になると思われますが、「会社法」という法律で定められた機関決定の一つが、取締役会決議であるからです。

言い換えると、取締役会決議までは、社内の事情で幾らでも詳細は変わる可能性があります。

したがって、マスコミの取材攻勢に合わせて、いちいち検討の過程を発表し、その内容がたびたび変わってしまうと、それこそ相場に影響を与えるためにわざとそうしている=相場操縦しているのではないか、ということになってしまいます。

会社からの発表が慎重で型にはまったような表現しかしていないのは、そこに理由があります。

筆者もかつて、M&Aを手掛けたことがありました。

会社からの報道発表をXデーと定め、取引所への開示もそれに合わせて行うことになっていました。

Xデーまでは、買収先の会社はコードネームで呼ばれ、情報に接する人もごくごく限られていました。

それでも、時々Yahoo!掲示板をみると、買収をにおわせる書き込みがあったり、株価がじわじわと上がってきたりして、一体どこから情報がもれているのだろう、と疑問に思ったものです。

外資系経理の生活(その9)-勘定科目体系の最近の動向

外資系経理の生活(その8)-ボーナスから続く

簿記の勉強を始めると、最初に悩まされるのが、勘定科目を覚えることです。

何々の費用は◯◯費、と沢山の勘定科目を覚えなければならないのか、と憂鬱になります。

実際は、経理の仕事を始めると、何々の費用は◯◯費、というのは規定で決まっていますし、前に同じような取引があれば、それを参考にしますので、あまり難しいことではありません。

さて、外資系企業の経理というと、今度はそれらの勘定科目が英語になるので、またもう一段難易度が増すように感じられますが、 外資系であってもやはり親会社が定めた規定があるので、それに従っていればそれほど難しいことではありません。

さて、最近ではどこの国の企業もグループ企業の一体化、迅速な経営情報の把握、といった目的から、統一した会計処理を求められるようになりました。勘定科目もその一つです。

親会社への報告は、「連結パッケージ」と呼ばれる、所定の報告様式に記入して送ることが多いです。

以前は、Excelの所定の書類、損益計算書、貸借対照表といった計算書を送る方式になっていましたが、単なる決算書の作成以外のさまざまな経営情報を把握する目的から、内容も細かくなり、また様々な定性情報も求められるようになっています。

勘定科目も多分に漏れず、親会社から詳細な指示(instruction)が送られてきます。最近、幾つかのお客様をお手伝いしていて気づくのは、詳細な勘定科目の使い方まで親会社から指示が来るようになったことです。

一方、勘定科目というのは、その会社の経営を表す鏡でもあることです。会社によって活動の仕方は違いますし、したがって会社によって重視する勘定科目もかなり違います。

これは、同じ企業グループ内であっても、所在する国や、事業分野によってやはり違います。

しかし、最近の動向としては、親会社から与えられる指示が事細かな一方、指示は統一的で例外を認めないことが多くなってきています。

勘定科目を統一することは、親会社の連結決算の統合作業を効率よく進めるだけでなく、連結経営の上でも業績把握を容易にするメリットがあるのですが、一方でローカルの細かな違いを反映できないこともあります。

IFRS導入に際しては、グループ内で勘定科目の統一を行いますが、こうした細かな違いを反映できる工夫も必要です。

ソニーの業績修正-繰延税金資産とは

2012年4月10日、ソニーは2011年の業績について、2月に立てた業績予想よりも3千億円悪化することを発表しました

発表資料によれば、米国などにおける繰延税金資産に対し評価性引当金を計上することなどにより、追加の税金費用約3,000億円を計上することになった、とあります。

これほど大きな影響を与える繰延税金資産とは何でしょうか。

当事務所の別ブログでは、繰延税金資産について簡単に解説しています

繰延税金資産とは要するに、以前に生じた損失の税金相当分を将来に繰り延べることです。

日本には繰越欠損という制度があります。所得上、赤字が生じた年度は税金を払う必要がありませんが、その損失を繰り延べることができ、将来に利益が生じたときに払う税金をそれで賄うことができる制度です。

米国にも同様の制度があります。

報道資料では、繰延税金資産の回収可能性を評価するにあたり数年間にわたる累積損失は重要なマイナス要因とみなされる、とあります。

つまり、過去に繰り延べた欠損金は、将来に利益が生じたときに払う税金で賄うわけですが、将来に生じるであろう利益が少なければ、賄いきれなくなる可能性があるわけです。

繰延税金資産を計上した時は、将来の利益で賄えることが前提となっています。しかし、後々の事業環境の変化によって、将来の利益の予測に変化が生じ、賄いきれなくなると、その分は取り戻せない税金ということで、資産を取り崩す必要が出てきます。

日本、米国をはじめ多くの会計原則では、その評価を毎回行うことを要求しています。

ソニーも、2月の業績発表時は問題なし、と考えられていたものが、数か月経って精査したところ、賄いきれなくなった、という判断になったものと思われます。

マスコミでは、今回の業績修正と繰延税金資産に対する評価の引き当てによる大幅赤字を報道しています。

しかし筆者は、今回の引き当てによる業績悪化よりも、もっと深刻な問題が潜在的にあることを危惧しています。

評価の引き当ては将来の利益で賄いきれなくなったことを意味し、すなわち、将来の利益の見通しが下がったことを意味するからです。

日本の電機メーカーの凋落が巷で語られていますが、暗くなってしまった将来の見通しを何とか引き上げられるよう、頑張ってもらいたいものです。

為替予約の目的とは

一時の円高もだいぶ沈静化してきたようです。輸出企業にとっては、ようやく一息つけた、というところでしょうか。
しかし、この先円安傾向が続くのか、再び円高に戻ってしまうのかは分かりません。財務担当者にとっては、利益計画や資金計画が立てづらいところです。
例えば、輸入企業が10,000ドルの商品を3ヶ月後に支払の約束で仕入れたとします。 日本国内の得意先には、80万円で売れるとしましょう。
そうすると、3ヶ月後のレートが1ドル75円ならば、仕入原価が75円*10,000円=75万円となりますから、5万円の儲けがでることになります。
しかし、反対に1ドル85円になってしまうと、仕入原価は85万円となり、5万円の損になってしまいます。
3か月後の為替が幾らになるかは分かりません。利益が出るか損になるか、受け取る資金が幾らになるか見込みが立たないと、利益計画や資金計画も立ちません。
これを防ぐ方法に、為替予約があります。

為替予約とは、銀行などと契約して将来の外貨建の決済のレートを今決めてしまうことです。

たとえば、3か月後の決済レートが今78円で予約できるとしましょう。ここで予約すれば、3か月後の決済代金は78円*10,000円=78万円となり、2万円の儲けが確実に出ることになります。
もしかしたら78円よりも円高に進み、もっと儲かるのかもしれませんが、藪の2羽より手中の1羽、確実に2万円の儲けが手にできるならばその方が良いかもしれません。
それなら、60円で予約すれば、相当に儲かるはずですが、そうは上手くいきません。為替予約レートは、好き勝手に設定できるものではなく、期間によってある程度決まってしまいます。一般には、現在の実勢レートに金利をプラスしたもの、と理論的には考えられています。
結局のところ、為替予約についても、将来のレートは固定できるものの、幾らで固定するか、ということについては、今のレートの変動の影響を受けてしまいます。
そこで、どのようなタイミングで為替予約をすべきか、という疑問が生じます。
これについては、為替予約の本来の目的を考えれば、外貨建ての取引が生じたら、すぐに予約するのが正しい、ということになります。
先に述べたように、為替予約の本来の目的は、将来の損益を今確定させてしまうこと、つまり将来の為替の変動を今固定してしまうことです。言い換えると「リスクヘッジ」ということです。
同じ為替予約をするにしても、なるべくなら有利なレートに進んだ時に予約したい、と思うのは人情ですが、予約を先延ばしすればするほど、確かに有利なレートになる可能性もあれば、反対に不利なレートに進む可能性も出てきます。つまり、不確実性が増えてしまうわけです。
取引のたびに、「幾らあたりが最も有利なレートか」「もう少し様子を見ようか」などと”相場読み”を始めますと、不確実性が増え、もしかするとせっかくの予約の機会を逃してしまうこともありますので、外国為替の取引が発生したら、「何時何時までに予約する」といったルールをあらかじめ決め、後はルールに従って着実に実行することが必要です。
為替予約をした後で、予約レートよりも実勢レートが有利に進んだとき、「予約しないでいればもっと得をしたじゃないか」と批判する人がいます。
相場というものは、振り返れば何とでも言えるものですが、では将来の相場は読めるのか、といえば、完璧に将来の相場を読める人などいません。
そのような批判については、「もしかしたら反対方向に為替が進んで、大損をしていたかもしれないのですよ」「そういう不確実性を取り除くのが為替予約の本来の目的です」というようにしています。
なお、為替予約の実行の仕方によっては、決算時の処理に様々な影響を与えることがあります。
また、数年前の大量の為替予約を巡って、現在多額の含み損を抱えている例もあります。この点についてはまた別の機会に解説します。

自分で確定申告、今から始めるツボ(その1)

確定申告がようやく終わりました。
私のように本業にしている者でも、何かと気ぜわしく、かつ面倒なことも多いのですから、普通の方々にとってはさぞ大変なことでしょう。
Facebookでも、「やっと確定申告が終わった!」という投稿をよく見かけました。それほど一大イベントなのです。

今年の確定申告を終えて、「ああすれば良かった」「こうしておけば良かった」という反省点も多いことでしょう。そこで、来年の確定申告に向けて、「こうしておいたら良いですよ!」というポイントを幾つかご紹介します。

今回ご紹介するのは、白色申告の事業所得申告者向けの内容です。
「白色申告」というのは、「青色申告」ではない普通の申告で、特に青色申告の届を出していない限り、普通の方はこちらの白色申告となります。
「事業所得」というのは、何か事業を営んでいる場合に申告するものです。本業で何かのご商売を営んでいる方、あるいは会社にお勤めでお給料をもらっているけれど副業をなさっている方、はこれに該当します。
それでは、幾つかコツをご紹介しましょう。

1. 今からでも領収書やメモを残そう

年に一度の確定申告ですが、その時に一度に済まそうとすると大変です。
「白色申告」では、必ずしも帳簿をつける必要はないのですが、領収書などは今からでも保管するようにしましょう。また、領収書をもらっていないものでも、メモを残しておきましょう。
「領収書がなければ経費として認められない」という説がありますが、必ずしもそうではありません。もちろん、架空の経費はいけませんが、本当に事業のために支出したものならば、経費として認められますので「いつ」「どこで」「何に」「幾ら」支出したかのメモを残しておきましょう。

2. 領収書はなるべく種類別にまとめよう

確定申告の時は、費用ごとにまとめて保管しましょう。
たとえば、仕入れに使ったものや、交通費、業者さんに支払った外注費、交際費などはそれぞれ別に束ねておきます。

3. 電気代、ガス代、水道代なども忘れず取っておく。

自宅兼店舗で、水道光熱関係の契約が一緒だったり、あるいは自宅で作業をしているときは、一定の割合で経費として認められるので、これらも忘れずに、種類別に取っておきましょう。
「一定の割合」とは、事業にどのくらい使ったか、の割合です。たとえば、サラリーマンが夜に自宅で副業している場合で、毎日2時間くらい作業しているなら、経費は20分の1くらいにする、などです(2/24時間、1LDKのうち、1部屋を作業に使っている、など)。

4. 領収書の金額欄に印をつける

これは、やっておくと意外に後で計算が楽なコツです。「領収金額」の部分を赤ペンで丸く囲っておくか、マーカーペンで印をつけます。こうしておくと、後で集計するときに、金額が一目でわかります。
多くのレシートは感熱紙を使っており、蛍光ペンを塗ると色が変わってしまうことがあるのでご注意ください。

5. なるべくなら、束にまとめるだけでなく、台紙に貼りつける

束にしておくと、集計するときもいちいちめくらなければなりませんし、紛失してしまう可能性もあります。なるべくなら、紙に貼っておきましょう。
立派なスクラップブックをわざわざ買う必要はありません。普通のノートで十分ですし、不要な紙の裏に貼ってもかまいません。
綴じられたノートに貼るよりは、ルーズリーフのようなノートか、不要な紙の裏(なるべく大きさはA4など一つに統一しましょう)に貼って、バインダーに綴じたほうが良いです。種類別にまとめやすくなりますし、後で集計するときに、家族みんなで手分けすることもできます。お子さんの計算練習になるかもしれません。

6. 医療費や薬代、交通費を別にまとめる

1年間の総額が10万円を超える場合など、医療費分を控除できる場合があります。最終的に控除できる最低金額に満たないこともありますが、一応、取っておいた方がいいでしょう。交通費なども認められます。
詳しくはこちら
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1122.htm

7. 売り上げはこまめにつける

特に小口の売り上げが沢山ある方は、分からなくなってしまいがちですので、売り上げがあった時はこまめにつけるようにしましょう。

1年分をためると大変ですので、今からでも始めてみましょう。2012年も既に3か月が過ぎようとしています。

付加価値とは〜製造業の付加価値低下とその意味

2012年3月12日付日経新聞に、製造業の付加価値の低下に関する記事がありました。

この付加価値とは何でしょうか。

経済産業省は、企業活動に関する統計を発表しています。
平成22年度の状況は下記のリンクの通りです。
http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/kikatu/result-2/h22kakuho.html
経済産業省によると、

付加価値額=営業利益+ 減価償却費+給与総額+福利厚生費+動産・不動産賃貸料+租税公課

と定義されます。

機関によって様々な定義がありますが、一般には、企業の売り上げのうち、他社が生産した部分を除く、自社の経営資源が生み出した部分、と言えるでしょう。

そうすると、これが低下している、ということは、自社の経営資源が生み出した部分が減っている、ということにつながります。

すなわち、厳しい見方をすれば、企業の生産活動が社会であまり評価されていないことになります。

もっと厳しい見方をすれば、例えば営業赤字が続き、給与総額や賃貸料なども上回る状態だと、付加価値額はマイナスとなり、社会にもマイナスの価値をもたらしている、ということになります。

では、付加価値を高めるにはどうしたら良いでしょうか。

月並みな表現ですが、利益を高める、ということに尽きます。上の式をみれば明らかなように、利益、特に営業利益を上げれば付加価値は上がります。

このとき、給与やボーナスをカットしたり、リストラをしてはいけないことになります。

上の式では給与総額の低下につながり、 利益の向上を相殺してしまうからです。

したがってそれ以外の部分、すなわち売り上げを増やすか、仕入を含む経費を減らすことが望ましいことになります。

今の世の中、売り上げを増やすのは大変ですが、自社の製品やサービスに対して、高い値段を払ってもよい、あるいは沢山買いたい、と思わせる仕組みが必要、ということになります。

前者で成功しているのが、日本企業ではありませんが一つの例としてアップルが挙げられるでしょう。

反対に、昨今の業績発表で紙面を賑わせている、日本の家電メーカーやエレクトロニクス企業はいずれも、大幅赤字->リストラ、と、付加価値の面では悪化方向に向かっています。

さて、なぜ付加価値の向上が必要なのでしょうか。企業はそれぞれ、利益(最終利益)が上がればそれで良いのではないでしょうか。

ここで注目したいのは、国内所得、すなわちGDPの計算です。

厳密には多少違いがありますが、GDPは家計と企業の付加価値の合計、とされます。したがってGDPが向上するには、各企業が頑張って、付加価値を向上させないといけないのです。

GDPが向上して景気が良くならないと、それぞれの企業の業績も上向きませんが、 それには一つ一つの企業の付加価値向上の努力が不可欠、ということになります。

何だか、ニワトリが先かタマゴが先か、の循環論法に入ってしまいましたが、景気回復には起死回生の秘策などなく、一つ一つの力の結集が必要なのかもしれません。

もちろん、政府部門がその足を引っ張ることなく、円滑に回るような政策にしなければならないことは、言うまでもありません。

健康ブームでメーカーは儲かるか?

明治のヨーグルトの売れ行きが好調で、生産が追い付かないということです。

テレビ番組で、抗菌作用が高いことが紹介されたのがきっかけということです。

筆者の近所のスーパーでも、一時は在庫が払底しましたが、ようやく在庫が戻ってきたようです。

また、ヨーグルトの次はトマト、とSCM(サプライチェーンマネジメント)の混乱が続きます。

さて、こんなに売れ行きが好調ですと、製造元はさぞかし儲かるだろうと思いますが、筆者のSCMの経験ではむしろその逆でした。

食品はいわゆる軽薄短小の製品の部類に入りますが、実は装置産業で、大量一括生産による 規模の経済を追求する産業です。

また、人の口に入るものだけに、品質管理も厳重で、かつ短い賞味期限のために在庫リスクもあります。

このため、ムリ、ムダが発生しないよう、SCMを最適化しています。

さて、そうした体制では、急激な需給変動は最適化を狂わせる原因となります。最適化された生産ラインの能力を超える生産が生じれば、高いコストを払い外注する必要がありますし、同様のことは倉庫にも言えます。

能力に余裕のある工場で作ることが出来ても、需要地から遠ければ、多額の輸送コストが掛かります。

こうしたコストを吸収すべく、普段の倍の価格で売れば、恐らく損はしないでしょうが、ヨーグルトのような日用品でそういう価格設定は消費者の猛反発を買います。

怖いのは、ブームが去った時です。

需要増に対して生産能力を増強した後に突然需要が急減すると、そのコストが回収できなくなってしまいます。

明治のような大企業は資金的にも心配はないかもしれませんが、中小企業で突然前年比数十%、といった需要急増があると、資金負担も大きくなるので注意が必要です。

エクソン・モービルが日本から事実上の事業撤退の報道

ロイターは2012年1月4日、アメリカの石油メジャーの一つ、エクソン・モービルが日本から事実上の事業撤退の意向であることを報じました

撤退事業については、東燃ゼネラル(現在、エクソン・モービルが50.02%を出資する子会社、東証一部上場)が4千億円で譲り受けるということです。
エクソン・モービルと東燃ゼネラルは、1月4日現在、この報道を否定しています。
エクソン発表
東燃ゼネラル発表

エクソン・モービルのガソリンは、日本では、エッソ・モービルの名前で知られています。

外資系企業からみて、日本は未だGDPで世界第三位の経済大国であり、無視できない巨大市場と位置付けられてはいるものの、高齢化社会においては、医療や介護のようなこれから需要の見込める成長分野を除き、多くは成熟市場とみなされています。

一方、同じアジア地域では、中国をはじめとする各国で2ケタの成長が続いていることを考えると、同じ資金を投じる投資先としては、どうしても投資の魅力が薄れます。

したがって、投資家としては、日本からは撤退するか、あるいは最小限度の投資にとどめ、浮いた資金はそうしたアジア成長市場に投じる(経営学でいうcash cow=金のなる木)、というのは極めて合理的な判断、ということになります。

エクソン・モービルの件は、まだ真偽のほどは不明な報道ではあるものの、複数ソースで同様の報道も始まっており、状況を考えるとそのような意向は大いにありえそうです。

国内需要の低迷と円高から、海外へ進出、または対外投資を進める企業が増えています。

その空洞化も懸念されますが、一方でこうした外資の投資引上げによる空洞化も気になるところです。

円高傾向から、どうしても海外からの投資は嫌忌される事情にありますが(円高では海外からの投資は割高であり、また将来円安になると元本割れのリスクも生じる)、少しでも投資の魅力を高める工夫は必要と思われます。

年末のご挨拶

日本は間もなく年越しでしょうか。
ただいまプライベートでアメリカに来ています。
時差の関係で、当地はまだあと1日残っております。

当事務所は、彼の地にあってもリモートで、365日24時間営業中です。
お問い合わせはどうぞお気軽にお寄せください

このサイトを通じてブログを読んでくださった方々、そして業務を通じてお世話になった方々に、この場を借りまして厚く御礼申し上げます。
今年はニュージーランドの大地震に始まって、東日本大震災、タイの大洪水、欧州危機に円高、北朝鮮の政権交代など、 自然災害や政治経済環境の変化の大きい年でした。

来年が皆様にとって良い年となりますよう、遠い地よりお祈り申し上げます。

Facebook

Twitter